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見えない存在: 部屋の四隅に棲む恐怖

怖い話

見えない存在: 部屋の四隅に棲む恐怖
「部屋がいつもより寒いな」と、今日も僕はその不思議さに身をすくめた。もちろん、窓からの風が入り込んでいるわけでもないし、エアコンが壊れているわけでもない。それでも部屋は一日中、無性に寒かった。

その日から、部屋の四隅が僕にとって怖い場所になった。

僕が初めてその部屋に足を踏み入れたのは2週間前、友人の引越しの手伝いに来た時だ。部屋は古いアパートの一室で、真四角の部屋には少しモノクロの世界が広がっていた。部屋の四隅には何か微妙な気配が漂っていた。

初めて気がついたのは、掃除をしている最中だった。部屋の四隅に近づくにつれ、僕の手の感触が冷たくなるのがわかった。確かに、それはほんの少しのことだった。でも、それが何日も続くと気になる。

次に奇妙だと感じたのは、部屋の四隅で時々聞こえる微かな音だった。ガラスが割れるような音、それとも小石が落ちるような音。どこから来るのかはわからない。

そして、最も不気味だったのは、部屋の四隅の影だ。部屋の明かりが明るくなると、四隅の影は深くなっていく。深くなると、中に何かがいるかのように見えた。

僕は怖さから四隅を避け、部屋の中心で生活することになった。でも、それだけでは解決しなかった。寝ているときに足元から風が吹く。窓もドアも閉まっている。どこから風が来るのか、答えは四隅しかなかった。

部屋に入る度に、僕は四隅を気にしていた。そのうちに、四隅には何かが存在することを強く感じるようになった。視界に入らない、でも確かに存在を感じる何かが。

僕はその存在について調べ始めた。建築物の構造的な問題、音響効果、気流のパターン。でも、それらは説明の一部に過ぎない。この部屋の四隅には、それら以上の何かがある。超自然的なもの、それが現実ならば怖い。でも、それ以上に怖いのは、それが僕の心の中にあるのではないかという疑念だ。

ある日、その恐怖が頂点に達した。部屋の四隅から聞こえてくる音が、言葉のように聞こえた。”ここにいる”、そう聞こえた。

その夜、僕は部屋の中心から動けなくなった。四隅からは音が聞こえ、風が吹き、影が揺れ動いていた。そして、それら全てが僕を見ているようだった。

最後に、僕は四隅の存在を認めた。それは見えない、でも確かに存在していた。部屋の四隅に潜んで、僕を見つめていた。

それから僕は、部屋の四隅を避けるのをやめた。それらの存在を受け入れ、部屋で共に生活することを選んだ。

四隅の存在は、僕が理解することができない何かだ。でも、それが存在していることを認めることで、僕は新たな世界を感じることができた。見えない世界。部屋の四隅に存在する恐怖。

それは、僕が今まで知らなかった世界だった。それは、僕が今まで見過ごしてきた世界だった。それは、僕が今まで恐れていた世界だった。

そして、それは僕が今、生活する世界だ。

今、僕は部屋の四隅に感謝している。それらの存在を知ることで、僕は新たな世界を見つけることができた。そして、それは僕が今、生活する世界だ。

部屋の四隅の存在は、僕が理解することができない何かだ。でも、それが存在することを知ることで、僕は新たな世界を見つけることができた。

見えない存在。部屋の四隅に棲む恐怖。

それは、僕の生活の一部となった。

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